雪かきにおける怪我対策は、ストレッチやマッサージが重要!
北海道や東北地方における毎年恒例の作業といえば、雪かきです。雪かきは重労働であり、長時間やり続ければ手足も冷えます。怪我をしないために、雪かきの作業前と作業後に十分なケアをすることが大事です。今回は、雪かき作業においての事故や怪我の対策をいくつか紹介します。
身体への負担、事故や怪我に気をつけよう!
北海道のような豪雪地帯では、あっという間に雪が積もります。そのため、雪かき作業をする際、雪かき用の大きめのスノースコップなどを用いる人も多いですね。多めの雪をすくっての雪かきは腰に負担がかかり、それが原因で腰を痛めて腰痛を引き起こすこともあります。
雪かきをする際は、身体全体を使って腰にかかる負担をできるだけ軽くしましょう。また、腰をかばうあまり、手の力だけを使うことも体にとって良くありません。手だけの雪かきはすぐに疲労し、寒さも手伝って手の感覚が麻痺してしまいます。手だけでなく足と腰も使って、身体全体での雪かきを心がけましょう。
豪雪の季節は地域によっては、マイナス20度以下を記録するところもあります。雪かきはそうした寒さの中でも、続けるとたくさん汗をかく作業です。大量の発汗で体内の水分が失われると脱水症状を引き起こして、血行不良の状態に陥り、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす原因にもなります。
雪かき中は適度に休憩を取り、こまめな水分補給を心がけるようにしましょう。もし、雪かき中に体調に異変が起きたら脱水症状の可能性があります。そのような場合は、無理をせずに雪かき作業を中断して身体を休ませることも大事です。
地域によっては、自宅の屋根に登り雪かきをすることが必要な場合もあります。高所での作業となるので、落下しての怪我や死亡事故も毎年あとを絶ちません。高所での雪かき作業は命綱を用意するなどして、安全を心がけることが重要です。単独ではなく、二人作業を心がけることも重要でしょう。
また、豪雪の季節は自分だけでなく他人も事故に巻き込む恐れがあります。雪かきで屋根から落とした雪が、通行人の頭上に落ちて怪我をさせてしまうケースです。雪かきをする際は、周囲に注意して行うことも大切です。
雪かき用の服装や道具をそろえよう!
雪かきをスムーズに行うには、雪かき専用の道具を準備することが大事です。雪かき用道具の代表格であるスノースコップは、通常の角スコップよりブレード部分が大きいのが特徴のスコップです。
長時間の雪かきによる体力の消耗を軽減するために、材質がプラスチックやアルミなどでつくられ軽量化が図られています。プラスチック製のスノースコップは、固い雪に強引に差し込むとブレードの先端が壊れることもあるので、注意が必要です。
スノーダンプも豪雪地方での雪かきには大活躍してくれます。スノーダンプとは、スコップよりも大きい大型の角形シャベルにパイプの持ち手が付いた形状の道具です。ソリのように押して雪かきができ、シャベル部分に雪を載せて運ぶことが可能となっています。
雪かきと雪の運搬を同時に行うことができ、なおかつスコップより広範囲に雪かきができるため、豪雪地方の雪かきでは重宝されている道具です。使用する際は、上半身の力を使わずに足腰で前に進むとスムーズに雪かきをすることができます。
雪かきに適した服装は、上下ともに雪がしみにくい防水加工がほどこされた素材を選ぶことが重要です。雪かきは体力を消耗する作業なので上着は汗が外に逃げやすい素材、下着は水分を吸収しやすいものが適しています。
防寒策としてヒートテックなどの保温下着を着用すると、汗が外に逃げないために逆に身体が冷えてしまうので、注意が必要です。手袋はゴアテックスなど防水加工のものが好ましいですが、分厚い手袋を選ぶと作業がしにくくなるので、避けたほうが無難です。
長靴は裏に滑り止めがついたものが良いでしょう。滑り止め用の裏の溝が深いものを選ぶと、より滑りにくくなり転倒防止につながります。
ストレッチやマッサージは怪我防止になる!
雪かきは身体を酷使するハードな作業です。運動不足などにより身体が固くなった状態でいきなり雪かきを始めると、ねんざや腰痛、筋肉痛などを招く可能性があります。
そのため、雪かき作業前は入念にストレッチをして身体の筋肉をほぐすことが重要です。雪かき前に10分ほど、手や足の筋を伸ばす、手首や足首を回す、前屈と後屈をするなどをしっかりと励行しましょう。
また、作業後のマッサージも効果的です。入浴で熱いお湯に浸かりながら身体を揉む、家族にマッサージをしてもらうなどして、筋肉をほぐすことを心がけましょう。しっかりとマッサージをすれば、その日の夜は深い眠りにつくことができ、翌日には疲れが残りにくくなります。また、筋肉痛などの防止にも効果的です。
適切な準備とアフターケアで安全な雪かきを
豪雪地帯は、毎日のように雪が降り積もるので雪かきは必須作業です。連日に渡って雪かきを行うという過酷な毎日を乗り切るには、雪かきの事前・事後対策を万全にする必要があります。道具や服装など、どのようなものを準備すれば、雪かきというハードな作業をスムーズに行うことができるか、よく考えて準備することが大事といえます。
また、豪雪地帯では、雪や雪かきによる事故も多発します。どのような事故が想定できるか、事故や怪我の種類を把握して事前に防止策を用意することも大切といえるでしょう。