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「温活」と「栄養」で睡眠の質を高めよう!


秋から冬にかけて寒くてなかなか寝られない、とこの時期は「睡眠」について悩む方が多いのではないでしょうか。睡眠不足は日中の眠気や集中力の低下だけでなくストレスや不安感などを引き起こします。また、慢性的な睡眠不足は免疫力の低下や高血圧、糖尿病、肥満、心臓病などの生活習慣病を引き起こす要因となります。そのため、健康的な生活を維持するためには適切な睡眠を確保することが重要です。働く世代(20~60歳)では少なくとも1日6時間以上の睡眠時間が必要とされていまが、「これ以上睡眠時間を確保するのは難しい」「しっかり6時間以上寝ているのに…」という方は睡眠時間の「質」を改善する必要があります。その方法は様々ですが、今回は「温活」と「栄養」で睡眠の質を改善する方法をご紹介します。

睡眠の質を改善する「温活」とは?

寒い季節になると「温活」という言葉をよく耳にしますよね。テレビで温活の特集をみて、実際にお店に温活グッズを買いに行くといった方も多いのではないでしょうか。温活とは、身体を温めて基礎体温を上げ、体調不良などを改善することです。エアコンやストーブの力で外側から身体を温めるのではなく、内側から身体を温める方法で基礎体温を上げることが大切です。また、温活は睡眠の質を向上させるために効果的な方法の一つです。寝ている間は基礎体温と共に基礎代謝が上がり、身体から熱を放出します。その結果、深部体温(内臓の温度)を下げることによって脳と身体を休める仕組みがあります。そのため、入眠時に身体が温かい状態であると睡眠の質が良くなります。そこで、睡眠の質を改善する温活の方法についてご紹介します。

①湯船につかる
入浴の際はシャワーだけで済ませず、38~40℃の湯船につかることで体を温めることができます。入浴剤を入れるとさらに血液の巡りがよくなって、効果的に体を温めることができますよ。
②運動・マッサージを行う
筋肉は熱を生み出して代謝を上げる役割や、血液を循環させるポンプのような機能を持っています。適度な運動をして筋肉量を増やすことで代謝が上がり、基礎体温を上げることに繋がります。マッサージは血行を良くしてくれるので、手足のツボ押しなど簡単なものでも体が温まりますよ。
③暖かい飲み物を飲む
体温より高い温度の飲み物は体を温めます。しかし、コーヒーや緑茶、紅茶などに含まれるカフェインには体を冷やす作用があるため、摂り過ぎには注意が必要です。就寝前に飲む際はカフェインレスの飲み物にしたり、体を温める効果があるシナモンやしょうがを加えたりするのもおすすめです
④たんぱく質を摂る
食べ物には「食事誘発性熱産生」といって、食事を摂ることでエネルギー生み出す力があります。食後に体が温かくなるのは、この食事誘発性熱産生によるものです。エネルギーを生み出す力は栄養素によって異なり、たんぱく質が30%、糖質が6%、脂質が4%とたんぱく質は多くのエネルギーを生み出します。そのため、肉・魚・大豆・卵といったたんぱく質をしっかり摂ることで、体が温めることができます。また、たんぱく質を摂ることで筋肉が増えて基礎代謝が上がるため、体温の上昇に繋がります。

睡眠の質を改善する栄養素は?

①トリプトファン
トリプトファンは幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の材料となり、日中はストレスの緩和や心身を安定させる働きがあります。夜になると「セロトニン」は睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」に変化し、睡眠のリズムを整えたり眠りを促すことで、身体が休息モードになり寝つきが良くなります。しかし、この2つのホルモンを作り出すトリプトファンは「必須アミノ酸」と呼ばれ、体内で作り出すことができません。そのため、日々の食事から補う必要があります。トリプトファンを多く含む食材には肉や魚、卵、豆腐や納豆などの大豆製品、牛乳やチーズといった乳製品などがあります。野菜類ではブロッコリーやキャベツ、大根などの食材に多く含まれるため、就寝時間の2時間前までにこれらの具材が入ったお味噌汁を飲んだり、ホットミルクを飲んだりするのも効果的です。

②グリシン
グリシンは神経の興奮を鎮め、身体をリラックスさせる効果があります。また、血流を良くして体温を上げ、身体の熱を外に出すことで深部体温(内臓の温度)を下げ、睡眠の質を改善すると言われています。
また、レム睡眠(深い眠り)とノンレム睡眠(浅い眠り)のリズムを安定させることで熟睡感が得られ、起床時の疲労感の軽減にも効果があると言われています。グリシンは豚の軟骨やゼラチンに多く含まれ、その他にも鶏もも肉や牛すじ、エビ、カニ、ナチュラルチーズといった食材に含まれています。しかし、食材に含まれるグリシンの量は少量で、食材を多量に摂ることは難しいため、不足分をサプリメントや健康食品で補うことが効果的です。最近では睡眠サポートサプリの主成分としても配合されることが増えています。

③GABA
GABAは別名γ―アミノ酪酸と呼ばれるアミノの1種で、グリシンと同様に神経の興奮を鎮めて副交感神経を優位にする栄養素です。副交感神経が優位であると血圧や心拍数が下がり、眠りやすい状態になります。また、GABAにはストレス緩和作用があり、良い睡眠の大敵であるストレスから身体を守ってくれる働きがあります。GABAを多く含む食品には発芽玄米、キムチ、トマト、かぼちゃ、じゃがいも、ぶどう、メロンなどがあります。最近ではGABA配合の食品や飲料などが販売されているため、日常生活に取り入れるのもおすすめです。その他にストレス軽減や血圧が高めの方向けのサプリメントの主成分としても配合されています。

これからの寒い季節に「温活」と「栄養」で睡眠の質を高めましょう。

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