乾燥しやすい秋から冬にかけて多くなるのが嫌な静電気です。ドアノブや車を触るとバチッ！と予期せぬ痛みを感じてしまいます。今回は、女性を中心に毎年悩まされてしまう静電気が、どういった理由で起きているのかと、突然起こる静電気を避けるための対策をまとめました。

静電気が起きる理由とは

静電気は、物と物が接触した状態で擦り合わさったときに起こる「摩擦」によって発生します。摩擦が起こっているときの物の表面では電荷の移動が発生し、物同士を離すことで一方は正に、もう一方は負に帯電します。このように生じる摩擦電気が、暮らしの中で起きる静電気の主な原因です。特に表面積が大きいもの同士によって起こる摩擦では、帯電しやすくなるため静電気が起こりやすくなってしまいます。人は衣服を身に着けて生活しているので、衣類と肌の表面の摩擦によって体の表面に電気をためてしまい、ドアノブや水道から流れる水に触れると「バチッ！」と放電してしまうのです。

身体に電気をためないように摩擦を軽減して生活するのは、非常に困難です。それは、人の身体だけでなく、スマートフォンや食器類、文房具にいたるまで全ての物の表面には、少なからず電気がため込まれているからです。物を原子レベルでみたとき、プラスに帯電した原子核の周りをマイナスに帯電した電子がグルグルと回っています。物を掴んだり、接触したりすることで、マイナスの電子が違う物質のプラスの原子核のところへ移動します。マイナスの電子は、電子が少ないところから多いところへ移動する性質があるため、物同士の電子の調整が瞬間的に起こるのでバチッ！」と静電気が発生します。よって、人や物は帯電しているものとして生活するしかありません。

乾燥するとなぜ静電気が起こりやすいのか

乾燥した季節では、よく静電気が起こってしまいます。物体はどんなものでも帯電しており、1年通して静電気が発生してもおかしくない状況にあるにもかかわらず、乾燥した時期に静電気が発生しやすいのは、空気中の水分が関係しているからです。湿度が低下すると、空気中の水分量が減るため、物の表面の吸着水分量が減少し、表面の電気伝導性が低下します。よって、物の表面に発生したマイナスの電子が分散されにくくなるため、静電気がたまりやすくなってしまうのです。

静電気は女性の天敵！子供も驚く痛い静電気

冬になるとマフラーやコートのファーが髪の毛に当たることで静電気が発生しやすくなります。せっかく綺麗にしようとしても髪がまとまらず外出するのに時間がかかります。やっとの思いで出かけても動くたびに摩擦が起こり静電気によって、髪がボサボサになったりします。また、小さな子供と手をつないだり、口の周りを拭いたりする瞬間に「バチッ！」と静電気が発生してしまい、子供がびっくりして泣きだしてしまうこともあります。このように、冬の静電気は生活に悪影響を与える女性の天敵と言えるでしょう。

静電気を防ぐ方法について

まず、静電気が起こらない環境を作ることが大切です。静電気は湿度が35％以下、気温が20度以下となってしまうと空気中の水分量が減ってしまうので起こりやすくなってしまします。湿度が低い状態で、エアコンなどの暖房器具を使うと、さらに乾燥してしまいます。よって、部屋の湿度が保てるように加湿器を利用しましょう。部屋の湿度を60％以上に保つことで、空気中の水分量を増やし、静電気が起こりにくい環境を作ることが重要です。

つづいて、髪の毛に発生する静電気の対策です。ブラッシングのポイントは水分、道具、裸足の3つです。水分とは髪の湿り具合で、ブラッシングする前に濡れタオルや霧吹きで、髪の毛を軽く湿らせます。道具はプラスチック製の帯電しやすいものを避け、油分の多い豚毛ブラシや天然の素材でできた木製のくしを使用します。また、靴下やストッキングを履いた状態では、静電気を発生させやすいので、裸足で髪の毛のブラッシングを行うことをオススメします。さらに、オレイン酸を多く含みしっとりとした髪にする椿油や、洗い流す必要のないアウトバストリートメントを利用すると、髪の毛自体の乾燥を防げるので、静電気が発生しにくいです。

そして、ドアノブや車のドアを触るときに発生する静電気への対策です。静電気の痛みは、放電が指先で発生するために起こります。よって、家の鍵や財布の中のコインで、ドアノブや車のボディに触れることで除電し、放電による痛みを回避できます。また、車から降りるときは、車のボディに触れてから地面に足をつくことで、身体の表面に不足していたマイナスの電子を補うことが可能なので、静電気の対策になります。

静電気とうまく付き合っていくには

突然起こる静電気は、冬の嫌な現象です。特に、北海道では気温も湿度も低くなり、乾燥してしまうので静電気が発生しやすいです。どんな物体にもマイナスの電子が少なからずあるため、身体に電気をためこみやすい環境で生活することになります。よって、静電気とうまく付き合っていくために、自分自身で対策を取る必要があります。部屋の湿度管理、髪のお手入れ方法、ドアノブに触る前の準備など、自分でできるものから取り組みましょう。