コラム
Column

家事

素材別に解説! 鍋の焦げ付きをスッキリ落とすテクニック


寒い日には暖を求めて、鍋料理にする機会も多いですよね。でも調理中、うっかり鍋を焦がしてしまった…なんて経験ありませんか。
慌ててたわしでこするも焦げ付きは取れず、鍋底にたくさん傷がついてしまった…。仕方なくそのまま使い続けている人も多いでしょう。
そんな鍋の焦げ付きですが、「重曹やお酢で落とせる」なんて聞いたことありませんか?
たしかに重曹やお酢は鍋の焦げ付きに有効ですが、鍋の素材(アルミやステンレス、鉄など)によって相性の良し悪しがあります。
なので、どの鍋に対しても万能なわけではなく、素材によっては逆効果です!
そこで今回は、鍋の焦げ付きをスッキリ落とすテクニックを素材別で紹介します。

【素材別】鍋の焦げ付きをスッキリ落とすテクニック

■ステンレス鍋には「重曹」が効く
ステンレスはサビにくい金属ですが、焦げつきやすいのが難点ですよね。ステンレス鍋の焦げ付きには、重曹を使った方法がおすすめです。手順は以下です。
1.鍋に焦げ付きが隠れる量の水を張り、重曹を大さじ1~2杯(1?につき)を目安に入れます。
2.火にかけて沸騰させます。
強火で加熱するとモコモコと泡立ち、黒々とした汚れが混じってきます。これが鍋の焦げです。重曹はアルカリ性の性質をもつため、酸性の性質のある焦げを中和させる働きがあります。
3.沸騰後、放置して冷まします。
時間をおくことで焦げがゆるみ、落としやすくなります。
4.重曹水を捨て、こすり洗いします。
ステンレス製は傷がつきやすいので、金属たわしや硬い材質のヘラでなどでガリガリこするのはNGです。 ナイロンたわしやスポンジのこすり洗いしましょう。

■アルミ鍋には「お酢」が効く
熱伝導が高く使い勝手のいいアルミ鍋ですが、酸性やアルカリ性に弱い材質なので、重曹との相性はよくありません。黒く変色させる原因にもなるので、お酢を使うのがおすすめです。
1.焦げ付きが隠れる量の水を鍋に張り、大さじ2杯目安のお酢を入れます。
酢だけでは焦げ付きが落ちにくい場合、台所用中性洗剤(大さじ2杯目安)も加えると効果的です。
2.火にかけて沸騰させます。
焦げがゆるむまで10分ほど煮つめます。
3.スポンジで軽くこすり洗いします。
アルミ鍋もステンレス鍋と同じく表面が傷つきやすいので、金属たわしや硬い材質のヘラは使わないのが無難です。
アルミ鍋の黒ずみが気になる場合は、クエン酸が効果的です。黒ずみが隠れる量の水を鍋に張り、小さじ2杯目安のクエン酸を入れます。それから中火で15分ほど煮つめると、黒ずみがスッキリ落とせますよ。

■鉄鍋には「から焚き」が効く
鉄鍋は 熱への耐久性が強く、煮物に焼き物、揚げ物とさまざまな調理に活躍してくれますが、焦げ付きやすく、サビも発生しやすいのが難点です。
材質的に金属製たわしや硬い材質のヘラで強くこすっても問題ありませんが、鉄鍋の焦げ付きにはから焚きが効果的です。 手順は以下です。
1.鍋を水洗いし、表面から煙が出るまでから焚きをします。
から焚きの際の鍋は非常に高温です。やけどや火事には十分に注意しましょう。
2. 鍋がおさまるサイズのボウルかシンクに水を張ります。
3. から焚きした鍋を水の中に入れて冷却します。
4. 十分に放置して冷まします。
5. カラカラになった焦げの汚れを水とたわしでこすり洗いします。

アルミ鍋の外側の焦げが気になる場合は、重曹を使った落とし方が効果的です。手順は以下です。
1.焦げ付きを落としたい鍋よりも大きいサイズの鍋を用意します。
2. 水をたっぷりと張り、重曹を大さじ1杯(水200?につき)入れて溶かします。
3.焦げ付きのある鍋を大きい方の鍋に入れて火にかけます。
4.沸騰したら中火で20分ほど煮つめます。
5.半日ほど放置して十分に冷やします。
最後に水洗いをすれば、ガンコな焦げ付きもスッキリしますよ!

■土鍋には「重曹」が効く
軽い焦げ付きなら、水に浸けて一晩おいて汚れをふやかします。その後、洗剤をつけたスポンジで軽くこすり洗いすればスッキリと落とせます。
ガンコな焦げ付きの場合は、重曹を使うのが効果的です。やり方は以下です。
1.焦げ付きが浸るように鍋に水を張ります。
2.水の量に合わせて、重曹を入れます。
重曹の量は、鍋の大きさや焦げ付きの位置で変わります。水200?につき大さじ1杯が目安です。
3.火にかけて10分ほど沸騰させます。
重曹の効果を発揮させるには、お湯ではなく水から煮立たせるのがポイントですよ。
4.数時間放置して冷まします。
時間をおくことで焦げ付きがゆるみ、落ちやすくなります。
5.スポンジでこすり洗いして、焦げ付きを落とします。
一回で落ちない焦げ付きは同じ手順でくり返してみましょう。
注意点として、土鍋の素材は土なので、金属製のたわしやヘラなどで強くこすると表面に細かい傷がつき、余計に焦げ付きやすくなります。また研磨剤入りのクレンザーでこすると、クレンザーの成分を土鍋は吸収してしまうので使用NGです。

■テフロン(フッ素樹脂加工)鍋には「水」が効く
テフロン(フッ素樹脂加工)鍋は、表面のコーティング加工により焦げ付きことが少なく、水もはじく性質があります。
なので基本的には、水のみのお手入れで焦げ付きを落とすことができます。やり方は以下です。
1. 焦げ付きが隠れるように、鍋に水を張ります。
ガンコな焦げ付きの場合は、重曹やお酢を少量入れます。
2. 鍋に火をかけ沸騰させ、10分ほど煮つめます。
テフロン素材の鍋に強火はNGです。中火でかけましょう。
3. 柔らかいスポンジやゴムベラでこすり落とします。
金属製たわしなどで強くこすると、表面のコーティングが剥がれて、余計に焦げ付きやすくなります。サビの原因になることもあるので、スポンジで撫でるようにこすり洗いしましょう。

自然の力を利用!「天日干し」はどの鍋にも有効

鍋に日常的につく茶色い焦げ付きですが、放置したまま使い続けていると燃えて炭化し、真っ黒な焦げに変化します。この状態になると単に洗うだけでは落とせません。
そこで有効なのが、自然の力を利用した天日干しです。 ベランダなど日当たりのいい屋外で、鍋の焦げ付き部分に直射日光が当たるように置きます。
日に当てることで焦げ付きをさらに炭化させ、パリパリに固めて乾いてから削り落とします。干す期間は1~3日ほどでいいですが、 日照時間が短い場合などは調整しましょう。
天日干しは鍋の素材を問わずに有効です。焦げ付いてからの対処ではなく、時々は天日干しをして、未然に防ぐ意識が持てるといいですね。焦げ付き予防になり、日頃のお手入れもラクになりますよ。

「時間も経ってるし無理だろう…」と諦めずに試してみて!

一括りに鍋といっても、素材によって焦げ付きへのアプローチは変わります。でも落とし方のテクニックを抑えておけば、恐れることはありません。
焦げ付きのない鍋は、見た目も衛生的にも良く、気持ちよく料理ができますよね。もちの良さにもつながりますし、長く使うことでコスパも良くなります。
「焦げ付いてからずいぶん時間も経ってるし無理だろう…」と諦めずに、一度試してみてくださいね。