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家事

お風呂の頑固なカビを撃退するための掃除の手順


カビはお家のさまざまな場所に発生しますが、とくに気になるのが「お風呂」に発生する黒カビではないでしょうか。1日の疲れを癒すバスタイムなのに、カビを見つけたら台無しですよね。

お風呂を掃除する際、浴槽から始める人は多いと思いますが、天井や床、壁、鏡、排水溝も何となく目についたところから始めて、毎回手順がバラバラになっていませんか。実はお風呂のカビを効果的に撃退するには「掃除の手順」も重要です。

今回は、お風呂掃除の正しい手順、必要なアイテム、カビをつきにくくするテクニックなどまとめてご紹介します。


カビが発生する5つの条件

お風呂のカビ掃除に苦労させられている人は多いと思います。「これ以上つかないようにしよう」と気を付けているのに、いつの間にか出来ているとうんざりしますよね。お風呂のカビは以下の「5つの条件」が揃ったときに発生します。

1.汚れ 水垢・ほこり・石けんカス・皮脂汚れなど(カビの好物である栄養分)
2.湿度 カビは65%以上の高湿度を好む
3.温度 カビは20~30℃が繁殖しやすい
4.水  壁や天井、床、棚、シャワーカーテンなどに残った水滴
5.酸素 カビは空気に触れることにより活性化する

カビは、汚れ・湿度・温度・水の4つの条件下で発生し、酸素により活性化して繁殖します。お風呂場はカビが育つのに最適な環境が揃っています。​でも逆にいえば、これらの好物や環境さえ提供しなければ、カビの発生・繁殖を抑えられるということです。​


掃除の際に必要なアイテム

お風呂のカビ掃除に必要なアイテムはご自宅にあるものがほとんどです。コンビニでも手軽に揃えられますよ。

・カビ取り用洗剤(塩素系漂白剤)
カビの根本まで除菌する洗剤で、効能は除菌効果とアルカリ剤による汚れ落としが主になります。

・中性洗剤
軽度な汚れや水垢、石鹸カスなどを落とすのに使用。床や壁、浴槽など幅広い箇所で使えます。

・スポンジ(小型ブラシ)
面の広いスポンジは広範囲の作業用に必須。ゴムパッキンや排水溝といった細かい箇所には、ハブラシのような小型ブラシが適しています。

・雑巾
水気を拭き取る時と、仕上げの拭き取り時に必要です。

・ゴム手袋
カビ取り用洗剤はアルカリ性の度合いが高く、毒性と刺激が非常に強い薬剤です。皮膚に付かないよう装着が必須です。

・マスク
有毒ガスから身を守るのに必要です。

・ラップ
カビ取り用洗剤の効力を浸透させるのに必要です。

・重曹
穏やかな研磨作用があり、汚れを浮かしたり中和させる働きがあります。

・クエン酸
酸性の成分により、カルシウムを溶かしアルカリ性の汚れを中和させる働きがあります。

普段のお風呂掃除なら「中性洗剤」と「スポンジ」があれば十分ですが、それだけでは落とせないカビのような頑固な汚れが存在するので、汚れの種類(アルカリ性・酸性など)に応じて道具も使い分けると効果的です。


効果的なお風呂掃除の手順

浴槽から洗い始める人が多いですが、水は上から下に流れていくので、掃除する箇所は上から下(壁→浴槽→床→排水口)の手順で進めるのがセオリーです。高い位置から進めていくことで浴槽や床に石鹸カスや洗剤が残るのも防げます。

手順はまず、暖かい温度のお湯で濡らしていきます。お湯で皮脂汚れを柔らかくしてから中性洗剤をかけることで、汚れが浮いて落としやすくなります。皮脂汚れを最初に取り除いておかないと、カビ取り用洗剤の殺菌効果が下がり塩素臭が増してしまいます。
「お湯で皮脂汚れを浮かす」→「中性洗剤をかけてカビの表面を洗い流す」→「カビ取り用洗剤をかける」→「30分程度時間を置いてから洗い流す」を基本手順として覚えておくとよいでしょう。

ちなみに最も高い位置にある天井は掃除しづらい場所ですが、カビが増殖しやすく胞子が降り注ぐので、定期的なお手入れが必要です。掃除方法としては、カビ取り用洗剤をしみ込ませた雑巾をモップのような柄の長いものにつけて天井に塗り込み、時間を置いてからシャワーで洗い流すのが簡単なのでおすすめです。もちろん顔や肌に洗剤がかからないよう、手袋やマスクの装着もお忘れなく。

上から下の手順で掃除を終えたら換気も必ず行いましょう。お風呂場内の湿度を下げ、水分を溜めない状態にすることで効果的なカビ予防ができます。


カビをつきにくくする3つのテクニック

1.水気を切る
壁や床、天井に生温かい水を残したままにしておくとカビ繁殖の原因になります。入浴後には室内全体をタオルで拭いたり、スクイージーで水気を切りましょう。室内の水気をできるだけ取り除くことで乾燥が早まり、カビ防止に効果的です。

2.高熱シャワーをかける
カビが繁殖しやすい温度は20~30℃ですが、50℃以上の高熱シャワーをかけることで死滅します。壁や床など気になる箇所には10秒ほど集中してかけ続けましょう。奥深くまで入り込んだカビにも有効です。

3.換気扇を回し続ける
窓を開けっ放しにするか、換気扇を回し続けて常に風の流れをつくっておきましょう。浴室内の湿度を下げることでカビがつきにくくなります。気になるのが電気代ですが、実は換気扇は24時間回していてもそれほど料金はかかりません。お風呂場20Wの場合、平均額約380円/1ヶ月です。カビが発生する度に揃える用具や労力を考えたら、だいぶ安上がりではないでしょうか。


カビ知らずの清潔なお風呂で快適なバスタイムを

お風呂はどうしてもカビができやすい環境ですが、正しい掃除手順や効果的なテクニックを取り入れて、発生する前の予防に努めましょう。カビ知らずの清潔なお風呂場を保つことで、1年中快適なバスタイムを過ごすことができますよ。