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健康

お肌の乾燥対策から風邪予防まで! 冬こそ摂りたい「ビタミンC」の効能とは?


ビタミンCは生命活動を維持するのに不可欠な栄養素です。たとえば皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、高い抗酸化作用をもつので、免疫力を高めて病気やストレスから守ってくれます。

そのためビタミンCが不足すると、寒さや乾燥、細菌などに対する抵抗力が低下します。体調を崩しやすくなったり、お肌の乾燥やハリ不足を招いたりなど肌トラブルの原因になることも。

冬は気温が低く、ただでさえ体力を消耗するうえに、風邪やインフルエンザも流行する時期です。多彩な働きで美容効果から風邪予防まで期待できるビタミンCは、冬こそ意識して摂りたい栄養素といえます。

ただし人体にはビタミンCを合成する機能が備わっていません。そのため野菜や果物などの食事から主に摂り入れる必要があります。
今回はビタミンCの効能と効率的な摂り方について解説します。

ビタミンCの4つの効能

ビタミンCは「コラーゲン」の合成に不可欠
コラーゲンとはタンパク質の一種で、お肌の土台部分である「真皮」の約70%はコラーゲンが占めています。お肌にハリと弾力を与えて、みずみずしく健康的な肌を保つ働きを担っています。

このコラーゲンを合成するにはビタミンCが不可欠です。そのためビタミンCが不足するということは、コラーゲンが不足するということです。コラーゲンが不足することで、お肌の乾燥やハリ不足といった肌トラブルにつながるのです。

高い抗酸化作用がある
体内に有害な活性酸素が発生すると、老化を促し、動脈硬化や心疾患などの病気リスクが高まるといわれています。ビタミンCには高い抗酸化作用があり、酸化を食い止める働きをすることから、これらの予防効果も期待できます。

「メラニン」を抑制する
ビタミンCには、シミのもとになるメラニン色素の生成を抑制する作用があります。シミ対策にはビタミンC配合の化粧品で外からケアするのが有効ですが、食事によるビタミンC補給で内側からもアプローチするとより効果的です。

抗ストレス作用がある「アドレナリン」の生成をサポート
人はストレスを感じると、「アドレナリン」といわれる抗ストレスホルモンを分泌し、心身の正常さを保とうとしますが、このアドレナリンを生成するには、大量のビタミンCが必要になります。ストレス社会で生きる現代人にとって、ビタミンCは生命線ともいえる存在なのです。

1日にどれくらい摂ればいい?

ビタミンC の1日あたりの推奨摂取量は100mg(厚生労働省基準)です。ビタミンCの血中濃度は摂取後 1.5〜3時間でピークに達し、その後、緩やかに減少します。1日3回以上に分けて摂るのがいいでしょう。

食事だけでは1日に必要な摂取量に届かない場合、サプリメントで補うのが効率的です。ただしサプリメントで多量に摂ると下痢や頻尿などの症状が現れる場合があるので、確認したうえで上手に活用しましょう。

ビタミンCが不足すると寒さや細菌に対する抵抗力が低下しますが、過剰に摂取しても使われなかったぶんは尿とともに排出されます。そのため有害な過剰症に陥る心配はないといわれています。

ビタミンCを多く含むおすすめの食品は?

ビタミンCは、主に野菜や果物に多く含まれています。野菜ではキャベツや赤ピーマン、じゃがいも、トマト、ホウレン草、ブロッコリー、パプリカなど。果物ではみかんやレモン、いちご、アセロラ、キウイフルーツなどに比較的多く含まれています。

ビタミンCは水に溶けやすく熱に弱い性質があるので、「なるべく生の状態で食べる」のがおすすめです。効率よく摂取するには、火を直接通さないだけでなく、茹ですぎたり、水で洗いすぎないのもポイントです。

冬が旬で値段的にもお手頃なキャベツの場合、1日の消費目安量は中玉2分の1玉です。ただし生では大量に食べにくいので、加熱しても溶け出た栄養素を摂取できるスープがおすすめです。
昔から風邪予防にいいとされているみかんの場合、1日の消費目安量は3~4個です。ちなみにみかんの白い筋には食物繊維が豊富でビタミンCの吸収率を高めるビタミンPも含まれています。

※キャベツ(生)は可食部100gあたり41g / みかん(温州みかん)は可食部100gあたり35g 文部科学省『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』より参照。

ビタミンCはこまめに上手に補給しよう

ビタミンCはほとんどの野菜や果物に含まれているので、極端に摂取量が不足することは少ないですが、熱と水に弱い性質から調理法による栄養の流出を考慮する必要があります。

そのまま食べられる果物や生野菜で摂るのが、最適なビタミンC供給源といえますが、サプリメントや野菜ジュースなども上手に活用して、こまめに補給することを心がけたいものですね。