育児負担の軽減、災害備蓄としても注目! 「液体ミルク」のメリット・デメリット
2018年8月より、乳児用「液体ミルク」の販売が日本でも解禁になりました。日本で母乳以外の代替食品といえば「粉ミルク」ですが、海外では液体ミルクが主流です。子育てに携わるママ・パパたちにとって、画期的な出来事でしたよね。
「育児が楽になる」という見方が多く、待ち望んでいた人も多い液体ミルクですが、「液体ミルクって何?」といった声もまだまだ多く、粉ミルクとの違いやメリット・デメリットが気になる人も多いと思います。
今回は、子育て家庭の強い味方となってくれる液体ミルクの特徴・注意点を紹介していきます。
液体ミルクのメリット
1.調乳不要で授乳がスピーディー
液体ミルクの栄養組成は調乳後の粉ミルクと同じですが、粉ミルクのように「70度以上のお湯を用意し、計量してから混ぜて…」といった調乳が不要です。
そのまま赤ちゃんに飲ませられる濃度なので、哺乳ビンに移し替えるだけで準備完了。泣いている赤ちゃんを待たせることなく、スピーディーに授乳ができます。
2.常温での長期保存が可能
液体ミルクは、無菌化された紙パック状態でつめるので衛生的です。未開封であれば常温での長期保存ができ、非常時用の備えとしても注目されています。
災害時は調乳環境が整っていない状況も予想され、災害備蓄として液体ミルクを購入する地方自治体も増えています。自宅でも、もしもを想定して常備しておくといいでしょう。
3.外出時や預けるときに便利
粉ミルクの場合、外出時に哺乳ビンやお湯を入れた水筒や湯冷まし用の水を持参する必要があり、おむつや着替えなどの荷物も合わせたら、バックがパンパンになるのがストレスですよね。
一方、液体ミルクはお湯がなくても、清潔な哺乳瓶があればそのまま授乳できるので、荷物がかさばらずに済みます。
育児がはじめてのママ・パパでも手軽に使えますし、ミルク作りに慣れていない祖父母などの家族や、保育園に預ける際にも便利です。
液体ミルクのデメリット
1.価格が粉ミルクと比べて割高
メーカーや購入するお店で差額はありますが、液体ミルクは粉ミルクよりも2~3倍弱割高です。手間や時短になるぶん、家計への負担は大きくなります。家では粉ミルク、外出時は液体ミルクにするなど場面に応じて使い分けているご家庭が多いようです。
2.量の調整ができずムダが出やすい
液体ミルクは100~200㎖入りといった、比較的飲みきりやすい容量にて販売されているものが多いですが、粉ミルクのように「少し足りない場合に足す」といった量の調整ができません。
少しだけ飲んで余ってもとっておけないため、赤ちゃんの月齢や飲み方によってはムダが出やすくなります。
3.ゴミと保管場所のスペースが増える
液体ミルクの場合、1回の使用ごとに容器や缶、紙パックのゴミが出ます。また日常使いする場合は、ある程度のストック(1か月分なら100本以上)が必要なので、保管スペースの確保も必要です。
液体ミルクを使う際の注意点は?
・液体ミルクは一度開封したらすぐに使い切る。飲み残しは使用しない。
・未開封時は常温で保管。高温になる場所に置くのは避ける。
・期限切れ、容器に破損がないかを確認する。保存期間は紙パック、缶などの容器包装により異なります。
・容器の膨張や色・臭い・味に異常が疑われる場合は使用しない。
・電子レンジで温める場合、一部に熱い部分ができて乳児の口に火傷を負わす可能性があります。湯煎で温めるのがいいでしょう。
・各製品に記載されている説明書きをきちんと読む。
液体ミルクの注意点は、消費者庁や日本小児科学会の公式ウェブサイトなどでも紹介されています。初めて取り入れる際にはしっかりと目を通しておきましょう。
【参照】
・乳児用液体ミルクってなに?(消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/health_promotion/pdf/health_promotion_190304_0003.pdf
・乳児用調整液体乳(液体ミルク)の使用に関しての注意点
http://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=108
液体ミルクを上手に活用しよう!
手間がかからずスピーディーに授乳ができる液体ミルクは、育児負担の軽減はもちろん、災害備蓄としても重宝されていくことが予想されます。
普段は母乳、粉ミルク派のご家庭でも、「液体ミルク」という選択肢が増えることで、外出時や預ける際、夜間にすぐに授乳したい時などシーンに応じて使い分ければ、より育児負担を軽減できるでしょう。上手に活用していきたいものですね。