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冬の北海道では紫外線の反射がこわい!知っておきたい日焼け対策とは

冬が長い北海道では、4月を迎える頃にようやく最低気温が摂氏0度を上回るようになり、雪解けが進みます。陽射しに春を感じるようになると気になり始めるのが紫外線でしょう。ところが、日焼けしたくないなら、雪のある冬のあいだも紫外線に注意しなくてはなりません。どういうことなのでしょうか。

日焼けを起こす紫外線の種類は2つ!

まずは、日焼けの原因になる紫外線についておさらいしておきましょう。地表に届く紫外線にはUVAとUVBの2種類があります。

1.UVA(紫外線A波)地表に届く紫外線の9割以上
2.UVB(紫外線B波)地表に届く紫外線の1割以下

このうち、UVBは量こそ少ないものの肌への刺激が強く、肌表面の細胞やDNAにダメージを与えます。赤い日焼け(サンバーン)を起こすのが特徴で、メラノサイトが紫外線を感知して肌を守るメラニン色素を生成すると黒い日焼け(サンタン)に変わります。一方、肌の奥にまで届いて真皮を破壊し、シワやしみ、皮膚がんの原因にもなるのがUVAです。肌に及ぼす作用は弱めですが、蓄積されたダメージが肌の老化をもたらします。すでにできているメラニン色素を酸化して黒くする働きがあり、サンバーンを起こさずに黒い日焼けを作ります(即時型色素沈着)。

UVAとUVBはどちらも日焼けの原因になるものの、その表れ方には個人差があります。日に焼けると肌が黒くなる人がいる一方で、赤くなってすぐもとに戻る人もいますよね。これは、紫外線による肌の反応タイプが違うことによって起こる現象です。日本人は欧米人に比べると、一般的にメラニン生成が活発なので紫外線からのダメージを小さくできます。しかし、しみなどの色素沈着が起きやすくなるのです。

雪上での紫外線反射率は80%?

日本は冬の季節に太陽からの距離が長くなるため、夏に比べると到達する紫外線の量が減少します。特に、北海道は北に位置するので南の地域よりは紫外線の量は少なめです。しかし、UVAは雲を透過しやすい性質を持ち、UVBに比べると年間や朝晩における量の変動が小さくなります。

夏にアスファルトの道路を歩いていると、地面から熱の照り返しを感じますよね。紫外線も地面や建物に反射します。そのため、屋外にいると太陽からの直射光に含まれる紫外線だけでなく、反射光の紫外線を浴びてしまうのです。環境省の「紫外線環境保健マニュアル2015」によると、紫外線の反射率はアスファルトでは10%ですが、新雪ではなんと80%にも達します。

冬の北海道でも日焼けする!

雪におおわれたゲレンデでは目を射るようなまぶしさを感じることがありますよね。このような場所では、大量の紫外線を浴びてしまう可能性が高まります。冬の紫外線が少なくても、それが80%増しになるとしたら無視できません。真っ黒に日焼けしているスキーヤーがいるのも納得ですね。さらに、高地にいくほど紫外線が増えるため、雪山に出かけるときは顔や体だけでなく、目を紫外線から守る工夫も必要です。サングラスやゴーグルを装着することはもちろん、UVカット機能のあるコンタクトレンズを使うのも良い方法でしょう。

北海道では平地でも春先まで雪が残ります。そのため、日焼けしたくないなら、屋外に出るときは紫外線対策が欠かせません。特に、毎年2月に開催される「さっぽろ雪まつり」は、多数の雪像が展示される人気のイベントです。日本国内だけでなく海外からも多くの観光客が訪れます。しかし、雪像からの反射で日焼けしてしまうリスクがあることは意外に知られていません。イベントを楽しんでいるあいだにも、直射光と反射光を浴びてしまうことに注意しましょう。

日焼けを防ぐ方法にはどんなものがある?

季節にかかわらず、日焼けを防ぐには露出している部分を隠すのが基本です。長そでや腕カバーを使ったり、日傘を持ち歩いたりするのも良い方法です。頭皮を守りたいなら帽子をかぶると良いでしょう。つばが広いものなら、顔の日焼けを防ぐのにも役立ちます。

一方、日焼け止めクリームを愛用している人も多いかもしれませんね。その効果を表しているのがSPFやPAという表記です。このうち、SPFとはUVBを防ぐ効果の指数です。+の数が多いほど効果が高く、何も肌にぬらない状態に比べてUVBからの炎症をどの程度長くカットできるのかを表します。たとえば、20分でサンバーンを起こす人がSPF15の日焼け止めを使った場合では、20分×15=300分後までサンバーンが起こる時間を伸ばせるのです。

一方のPAはUVAを防ぐ効果指数です。こちらは4段階の+マークで表示され、数が多いほどUVカット効果が高いことを示します。即時型色素沈着を起こすまでの時間を2~4倍にできるのがPA+で、PA++なら効果の持続時間を4~8倍にできます。それ以上の効果があるものをPA+++と表します。

日常生活で紫外線対策をするなら、SPF20/PA++程度あれば十分だと考えられています。しかし、雪からの反射を受けるおそれがある場合は、さらに効果が強い日焼け止めクリームを使うと安心です。とはいえ、日焼け止めクリームを使うと肌に負担がかかるため、UVカットの効果と肌へのダメージとのバランスを見極める必要があるでしょう。

冬の紫外線対策では雪の反射を考慮しよう!

日照時間が短い冬の北海道では紫外線対策をしていない人も少なくありません。しかし、紫外線はくもり空でも降り注いでいます。また、雪の多い北海道では、反射光にも注意しなくてはなりません。衣類や日傘、ゴーグルやコンタクトレンズなどを賢く使って日焼けを防ぎましょう。特に、日焼け止めクリームを使うときは、SPFやPAの値に注意が必要です。UVカットの効果だけでなく肌へのダメージを考えながら自分に合った商品を選びましょう。