筋肉痛緩和と治し方!予防と対策で和らげる
運動をした後にやってくる筋肉痛。普段運動をあまりしない人が、急に激しい運動をすると経験することが多いのではないでしょうか。せっかく運動しても、痛みがひどいとつらいですよね。
そもそも筋肉痛はなぜおこるのでしょうか。そのメカニズムを紐解き、痛みを和らげる方法と、予防・対策をご紹介します。
筋肉痛が起こる原因はさまざまな説がある
筋肉痛が起こる仕組みは、実ははっきりと解明されていません。
これまでは運動中に筋肉が激しく収縮したときに生ずる、「乳酸」の蓄積が原因とされていました。しかし、運動後の乳酸値はすぐに低下するため、その説には異論を唱える声も出てきました。
現在では、運動により損傷した筋繊維と周辺の組織が、修復する過程で炎症を起こし、その際に生ずる痛み物質が筋膜を刺激することが原因というのが有力説です。筋肉痛が運動後しばらくしてから起こる理由は、筋肉に血液を送る毛細血管の量に関係していると考えられています。
普段あまり筋肉を動かしていない人は、毛細血管が発達していないので、激しい運動の際損傷した筋繊維に血液を送るのに時間がかかり、痛み物質の生産が遅れてしまうので、結果的に時間を置いてから筋肉痛が起こるというわけです。
運動前のウォーミングアップは入念に行う
運動不足による筋肉痛を予防するには、運動前にストレッチなどの準備運動をして、筋肉への負担を少しでも軽くすることが大事です。
特に北海道は寒い時期が長いので、筋肉が縮こまる状態になりやすいですが、運動前の準備運動をすることで体温が上昇し、筋肉が柔軟に動くようになりますし、ケガの予防にも繋がります。特に寒い時期は、暑い時期よりも入念にウォーミングアップを行いましょう。
準備運動は立って行うか、椅子などに座っていても体を起こして行うのがおすすめです。寝転がっての運動だと、体がリラックスしてしまい、なかなか筋肉が運動モードにならないためです。手や足を前後左右に振ったり、関節から回したりするほか、体をひねったり、側面を伸ばす運動をするのも効果的です。軽くランニングするのも良いでしょう。
このように全身の筋肉に刺激を与えることで、体をスムーズに動かせるようになります。
運動後はクールダウンと入浴を!
運動後、急に動きを止めると、毛細血管への血流が悪くなるため、筋肉痛を起こしやすくなります。血流を持続するためにも急停止せず、徐々に動きを弱めていくようにしましょう。
激しく運動をした後は筋肉に熱を持つ場合がありますが、その際は一時的に冷却スプレーや保冷剤などで熱を持っている部分を15~20分程冷やしましょう。ただし、冷やしすぎは逆効果です。熱が引いたら血行を良くするために温めていくことが筋肉痛予防に繋がります。そのため運動後のストレッチも重要です。
クールダウンのストレッチは、ウォーミングアップのときとは違い、筋肉の緊張を和らげるのが目的です。運動後の体が温かいうちに行いましょう。できれば横になり、重力がかかって血流が悪くなった下半身から順に、全身の筋肉を伸ばしていくのがポイントです。時間は10~15分程を目安に、無理はしないようにしましょう。
また運動をした日はシャワーだけでなく、ゆっくりとお風呂に入ることをおすすめします。温度は38~39℃くらいのぬるま湯が血流促進には最適です。できれば全身浴が理想的ですが、高血圧などの持病がある方は、体のみぞおちあたりまで浸かる半身浴にしておきましょう。入浴中に運動で疲労した筋肉を軽くマッサージするのも効果的です。
筋肉痛対策には食事内容も大事
損傷した筋肉を回復するための対策として、筋肉をつくる基となるたんぱく質の多い食品を摂ることも大切です。
たんぱく質は主に肉類、大豆、乳製品などに含まれています。同時にエネルギー代謝と疲労回復効果が期待できるビタミンB1を摂ると、より効果的に筋肉を修復していくことができます。特に豚肉はたんぱく質、ビタミンB1共に多い食品なので、運動後の食事におすすめの食品です。
また疲労回復効果のあるクエン酸や、体の中にある有害物質を排出する働きがあるビタミンCを含む食品もおすすめです。レモンやグレープフルーツなど、柑橘系のドリンクだとクエン酸とビタミンCの両方の成分を摂取することができますね。
緊急の場合は市販の薬に助けてもらおう
筋肉痛を起こす原因は、運動による筋繊維の損傷と、修復の際に生ずる痛み物質によるものだと考えられていますが、運動前の準備運動をしっかり行い、運動後はクールダウンをして無理しない程度のストレッチをすることが筋肉の疲労を防止し、ケガの予防にも繋がります。
また運動した日はぬるめのお湯に浸かって筋肉をほぐしたり、疲労回復効果やエネルギー代謝ができる食品を摂取したりすることが、筋肉痛緩和への近道です。あまりにも筋肉痛がひどくて我慢できないときの治し方として、ドラッグストアなどで販売されている解熱鎮痛剤を飲んだり、筋肉痛緩和のための塗り薬や貼り薬を使ったりする方法もあります。
貼り薬には冷やすタイプや温めるタイプがありますので、説明を良く読んだり、お店の人に相談したりして、自分の状態に合ったものを選びましょう。