冬の乾燥から子供の肌を守るには? 乾燥肌の効果的な対処法
過酷な乾燥期の冬は、肌の水分量不足からうるおい不足に陥り、外的刺激から守る肌のバリア機能も低下しがちです。
とくに子供の場合、大人の肌と比べて水分を体内にとどめる働きが未熟なので、ちょっとした刺激に敏感に反応し、炎症や痒みといった肌トラブルにつながることがあります。
子供は自分で肌の潤いを保つよう意識することができません。なので皮膚の保湿やこまめな水分補給を欠かさないよう、そばにいるママ・パパが配慮してあげることが大切です。
今回は、冬の乾燥から子供の肌を守るための対処法についてお話しします。
子供は乾燥肌になりやすい
暖かい季節はしっとりモチモチで、触るのが気持ちいい子どものほっぺた。でも冬になるとカサついて心配になりますよね?
冬は空気乾燥などにより皮膚中の水分が出ていく一方なので、水分を保持しにくくなります。また子供の皮膚は大人よりも薄く、皮脂の分泌も少ないので、どうしても乾燥肌になりやすいのです。
肌が乾燥すると、うるおい不足からカサつき、悪化すると痒みや痛みをともなうようになります。
子供は痒みを我慢できずに掻いてしまうことがあるので、肌を掻いても傷がつかないように、日頃から爪を短く切っておくのも効果的な予防法です。
乾燥から肌を守るポイントは「保湿」
肌が乾燥した状態が続くと、外的刺激に弱くなり、ちょっとした刺激にも敏感に反応するようになります。子供の肌を乾燥から守るには、肌乾燥を予防すると共に効果的な保湿ケアが必要です。
具体的には軟膏や保湿クリーム、ベビーローションなどの保湿剤を使うのがおすすめです。お肌のコンディションと合せて、丁寧に保湿ケアを行うことで、皮膚中にたっぷりの水分が備わります。うるおいを逃がさないためのフタをする効果もあります。
一般的に、保湿ケアを行うタイミングはお風呂上がりが最適です。ただし入浴中は大量の汗をかくので、入浴直後に保湿剤を塗ると汗疹ができる場合があるので、少し時間をおいて塗るといいでしょう。
子供の肌はとてもデリケートなので、保湿剤も添加物を抑えた低刺激タイプを選ぶとベターです。
乾燥肌を悪化させないための対処法
【入浴時に注意すること】
冬場は気温が低いのでお風呂の温度を高めに設定するご家庭も多いと思いますが、熱いお湯に長時間浸かると皮膚の保湿成分(セラミド)が流出し、入浴後の乾燥を促します。
大人の皮膚の表皮は0.02mmですが、子供はその半分以下の薄さです。そのため大人と同じように入浴させると、乾燥肌が悪化する場合があります。
お湯の温度設定は38度~40度のぬるめで、5~10分程度浸かるのを目安にするのがいいでしょう。
子供は汗腺の密度が高く汗をたくさんかくので、石けんでしっかりと洗ってあげたくなりますが、洗いすぎはよくありません。洗いすぎると皮膚のバリア機能を保つのに必要な皮脂が奪われ、乾燥肌が悪化することがあります。
お湯で軽く流すだけでも不要な汚れは落とせるので、石けんで洗うのは3日に1回程度にするのが乾燥肌には効果的です。 またスポンジやナイロンタオルでゴシゴシ洗うのは肌に負担をかけて、乾燥を招きます。石けんをたっぷりと泡立てて、素手で優しく洗ってあげましょう。
【湿度を適度に調整して室内の乾燥を防ぐ】
空気乾燥は乾燥肌を招く原因になるので、加湿器などで室内の湿度を適度に保つことにより、健やかな肌状態をキープできます。
冬はストーブやエアコンなど暖房設備を使う機会が増えますが、室内の温度が上がれば湿度は低くなるので、加湿器を併用するなどの乾燥対策が必要です。
室内での快適な湿度は40~60%といわれています。40%を切ると目や肌、のどに乾燥を感じるようになり、気道粘膜の防御機能が低下して風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。
50%を目安に湿度を調整するだけでも、肌の水分の蒸散が防げて肌乾燥が和らぎます。
加湿器がない場合、濡れたバスタオルをハンガーにかけることでも代用できますよ。
【衣類は素材に注意して選ぶ】
子供は汗を多量にかくため、汗や蒸れから肌トラブルを起こしやすくなります。冬は防寒目的から厚手の服を着させることが多いですが、屋外と屋内での気温差が大きいので、体温調節がしやすいよう脱着しやすい衣服を組み合わせるのがいいでしょう。
とくに肌に直接あたる肌着は素材に注意して選びたいもの。化学繊維やウール、麻などは肌の刺激になりやすいので避けるのが無難です。
体を締めつけすぎず、綿や絹などのやわらかい天然素材がおすすめです。とくに絹は吸放湿性に優れていて保湿性が高いので、乾燥によるお肌の痒みを軽減してくれます。
また子供の敏感な肌には、タグや縫い目も刺激になる場合があるので、縫製にも注意して選ぶといいですね。
【水分補給はたっぷり、こまめに】
保湿は外側からのスキンケアだけでなく、こまめな水分補給で内側からケアすることも大切です。
冬は冷たい飲み物を口にする機会が減りますが、子供は脱水症状にあっても上手に伝えられないので、まわりが注意してあげることが大切です。
1日に必要な水分摂取量は子供の年齢によっても異なりますが、一度に多量に飲ませると体に負担をかけてしまうので、こまめに飲ませましょう。お茶などはカフェインレスを選ぶとベターです。風邪や脱水症状が疑われる場合は、体内に水分と電解質をすばやく補給できる経口補水液で摂るのがいいでしょう。
冬もモチモチ・スベスベの肌で過ごそう
冬の乾燥から子供の肌を守るための基本は、「清潔を心がける」「乾燥を招く要因を減らす」「保湿ケア」の3つです。
乾燥が気になる場合、保湿剤を塗る回数を増やしても大丈夫ですが、痒みや炎症が強くホームケアでは改善しづらい場合は、医療機関を受診しましょう。
子供は自分で肌の乾燥や痒み、痛みを伝えることができません。なのでお肌のトラブルの芽を日頃から見逃さない配慮が大切です。子供が冬もモチモチ・スベスベの肌で過ごせるかは、ママ・パパにかかっていますよ!