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子育て

暖房器具による事故に注意!子どものやけどとその応急処置の仕方

寒い冬が長い北海道では暖房器具が欠かせません。そんな暖房器具による事故の報告が多発してしまうのも冬です。小さい子どものやけどがほとんどだということですが、どのような対策が必要なのでしょうか。報告されている事例から考えてみましょう。また、万が一に備えてやけどの応急処置や受診の目安を知っておくことも大切です。

どのような暖房器具に事故が多いのか?

消費者庁によると、暖房器具に関する事故は日本全国で11月ごろから増え始め、12月と1月にピークを迎えるといいます。暖房器具を使い始めるのが早い北海道では、少し早い時期から注意をする必要があるでしょう。特に、小さい子どもがいる家庭では、子どもの思わぬ動きを考えながら、その予防に努める必要があります。

事故の内容については、約9割が「やけど」です。暖房器具で負ったやけどの処置を求めて医療機関を訪れる人が多いことがわかります。なかには、入院治療を必要とするほどに、程度の重いやけどを負うケースもあります。暖房器具については、さまざまな種類のものが家庭で利用されていますが、事故の半数以上を占めているのが「ストーブとヒーター」です。次いで多いのが「こたつ」、そして「加湿器」、「湯たんぽ及びあんか」と続きます。

小さな子どもはいろいろなものに興味をもち、興味をもったものには触ったり、口に入れたり、さまざまな方法で調べようとします。暖房器具も例外ではありません。熱い、危ないということがまだ理解できていないうちは、周囲の大人が注意を払ってあげなければいけません。また、外出先や帰省先で、自宅では使用していない暖房器具に子どもが興味をもち、事故につながるケースの報告も少なくありません。

事故は自宅だけで起こるものではない、ということも頭に入れておいた方が良いでしょう。

暖房器具別!事故の事例

具体的にどのような事故が報告されているのか、報告の多い暖房器具別に紹介します。

1位 ストーブ・ヒーター

まず、一番報告の多いのがストーブとヒーターです。「ストーブに直接つかまり立ちをしてのやけど」、子どもが椅子から飛び降りた際、「側にあったストーブに手をついてのやけど」などが報告されています。ストーブの上に置いてある「やかんのお湯をかぶってやけど」をして、医療機関を受診したケースもあります。

また、人の動作をキャッチして作動する人感センサー機能のあるヒーターによる事故も報告されています。寝返りがまだできない赤ちゃんを人感センサー付き暖房器具のある部屋で寝かせていた際、「赤ちゃんの背這いに人感ヒーターが作動してしまいやけど」に至ったとされています。

2位 こたつ

ストーブとヒーターの次に事故の報告が多いのがこたつです。しかし、こたつの場合、やけどによる事故よりもこたつからの横転や転倒時にこたつの角でケガをするという打撲や骨折が多いようです。こたつやテーブルの角にはクッションテープを貼り、万が一に備えておくと良いでしょう。小さい子どもはこたつの高さから落ちるだけでも骨折に至ることがあるので、こたつにも登らせないのが無難です。

3位 加湿器

次いで、事故の報告が多いのが加湿器です。子どもは加湿器から出る蒸気に興味をもつことが多く、「つかまり立ちをして蒸気に触ってやけど」を負い、医療機関で処置を受けたケースがあります。他にも、加湿器の「コードを引っ張り、倒れ落ちた加湿器のお湯でやけど」をしたケースが報告されています。

4位 湯たんぽ・あんか

最後に、湯たんぽやあんかですが、これらは低温やけどを起こす可能性があるので、注意書きをよく読んでから使用することが大事です。低温やけどとは、高温ではないものの温かいものに長時間、皮膚が触れていることで起こるやけどのことをいいます。一見すると軽傷に思えるものでも、炎症が深くにまで及んでいて、医療処置を必要とすることもあるので注意が必要です。「湯たんぽを使用して就寝した5歳児に水泡」ができてしまったケースや、「使用中の湯たんぽの蓋が外れてお湯がこぼれてやけど」を負ったケースが報告されています。

暖房器具のやけど予防と万が一の応急処置

やけどの事故を防ぐためには、まず適切な暖房器具を選ぶことが大切です。これから暖房器具を購入するという人は、万が一、赤ちゃんが暖房器具に触ってしまっても大丈夫なように、器具そのものが高温にならないものを選ぶのも方法です。

ストーブやヒーターは触ると高温であるものが多いですが、それらを使用する際には、小さな子どもの手が届かないように、暖房器具の周りに囲いをつけると良いでしょう。暖房器具の周囲に椅子やソファーなどがないかも確認する必要があります。使用していない暖房器具は電源を切ることを確認するだけでなく、コンセントから抜いておくと思わぬ事故を防げます。

また、冬は室内が乾燥するので、ストーブの上にやかんをのせることがあるかもしれませんが、やかんのお湯を浴びてのやけども少なくありません。小さいお子さんがいる家庭ではやかんをストーブの上に置くのは控えたほうが無難です。湯たんぽやあんかを利用する場合は、布団に入る前だけにして、就寝時には布団から出すようにしましょう。

万が一、やけどを負った場合は、「すぐに流水で冷やす」ことが基本の応急処置です。15分から20分程度、水道水やシャワーを利用して、やけどした部分を冷やすようにします。水泡に至ってしまった場合は、つぶさないようにして皮膚科を受診しましょう。また、服の上からやけどをした場合、服は無理に脱がそうとしてはいけません。流水やシャワーは服の上からでも構いません。医療機関を受診する目安は、水泡ができたとき、やけどが広範囲に及ぶときです。低温やけどについては冷やしても効果がありませんし、見た目で重症度がわかりにくいものです。子どもが痛がったり、赤ちゃんの機嫌が悪い時は、受診をしたほうが良いでしょう。

子どもの動きから目を離さないことが大事!

寒い冬は暖房が欠かせませんが、事故も増えます。以上のような、事故を防ぐための対策をすることは大切ですが、小さい子どもは大人が考えもしないような動きをすることがあります。一瞬の油断で、大変な状況に陥ってしまうこともあります。事故が起こってからでは遅いのです。

子供が痛い思いをしなくても済むように、乳児から小学校高学年くらいまでは、暖房器具を使っているときは、子どもの動きからできるだけ目を離さないようにしましょう。