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健康

ご家庭でもできる3個の菌対策

寒い季節になるとノロウイルスなどのウイルスによる感染症にかかる人が多くなります。
これは、気温の変化による体調の悪化や湿度が低くなることによってウイルスが浮遊しやすくなることが原因です。
しかし、ノロウイルスは家庭でもいくつかの点に気をつけて生活すれば、ある程度予防できるとされています。

そこで、この記事ではノロウイルスの予防対策として、家庭で気を付けるべき3つのポイントについて紹介します。

そもそもノロウイルスってなに?

ノロウイルスとは腸管でウイルスが増殖することによって、嘔吐や下痢といったつらい症状をウイルスが体外に排出されるまで何度も繰り返す病気です。

多くの場合で、食べ物や手の指から口にウイルスが侵入することで引き起こされます。
症状はほとんどの場合、1、2日で和らぎますが、嘔吐や下痢によって体から水分が減っていきますので、重い脱水症状になるケースもあり注意が必要です。

主な感染経路として挙げられるのは、感染した人の調理した食品を食べてしまったり、その人が下痢や嘔吐したものを処理するときに手洗いが不十分だったりしたケースです。
そのため、もともと免疫力の低い高齢者や子どもが集まる老人ホームや保育園といった施設で集団感染することがあります。

また、ノロウイルスはロタウイルスやインフルエンザウイルスと違って抗ウイルス薬がありません。
つまり、治療に有効な薬がないため、基本的には症状を和らげるような対処療法を取るしかないのもこの病気のつらい部分だといえます。

ノロウイルス対策その1:食品は加熱すること

ノロウイルスは食材に付着したウイルスが体内に入るというケースが多いため、寒い時期に調理をするときは十分な注意が必要です。

ノロウイルスはどのような食品にも付着する可能性がありますが、特に二枚貝などの魚介類に含まれるケースが多いといわれています。
ただし、ノロウイルスは熱に弱いという特徴があるため、食材を十分に加熱することで感染を防ぐ効果を期待できます。
具体的には85~90度まで熱することによってウイルスが死滅するので、その温度までしっかりと食材を加熱するようにしましょう。

また、ウイルスは食材の中心部に潜んでいる可能性もありますので、食材の表面だけでなく中心部までじっくりと加熱するように心がけてください。

ノロウイルス対策その2:しっかりと手を洗おう!

調理をするキッチン以外にも、ノロウイルスに感染しやすい場所としてはトイレや洗面所が挙げられます。
なぜなら、感染者が十分に手を洗わずに使用したタオルを他の人が使ってしまうと、感染が拡大してしまうケースもあるからです。

それを防ぐためにはしっかりと手を洗うことが大切になります。
手を洗うときには石けんを使用して、すみずみまでしっかりと洗うことを心がけてください。
いくら石けんを使用してもウイルスを死滅させることはできません。

内閣府の食品安全委員会のホームページでは、手を洗うことによって「手の表面の脂肪分などの汚れが落ちるときにウイルスも一緒に落ちやすくなる」と解説されています。
手洗いはあくまでウイルスを「なくすため」ではなく、「減らすため」に行うという認識を持って丁寧行うことが大切です。

ノロウイルス対策その3:次亜塩素酸ナトリウム消毒液を使用すると効果的!

石けんではウイルスを十分に除去することはできません。
しかし、「次亜塩素酸ナトリウム」を使用することで加熱処理と同じようにノロウイルスを完全に失活化することが可能です。

実際に内閣府の食品安全委員会や厚生労働省などでは次亜塩素酸ナトリウムをノロウイルス対策として推奨しています。
次亜塩素酸ナトリウムは実は家庭にある身近なものに含まれています。
その代表的なものとしては、「塩素系漂白剤」です。一般的な家庭用塩素系漂白剤には5%相当の次亜塩素酸ナトリウムが含まれていますので、250倍に希釈(濃度0.02%になるように)してください。
それを使用してトイレや洗面所など、不特定多数の人がよく触るような場所を拭き掃除すると感染を防ぐ効果が期待できます。

ただし、次亜塩素酸ナトリウムは消毒用のアルコールと異なり、人体に使用してはいけません。そのため、使用するときは必ず手袋などを着用しておくようにしましょう。

家庭でできる予防法を試してみよう!

ノロウイルスは「食品や人の手」に付着したウイルスが体内に侵入することで発症する事が多いといわれています。
そのため、家庭でできる予防対策としては「食品を十分に加熱する」「すみずみまで丁寧に手を洗う」といったことが効果的だといえるでしょう。

ただし、石けんを使用してもノロウイルスは死滅しませんので、手洗いの徹底に留意し、トイレや床、洗面所などは希釈した「次亜塩素酸ナトリウム」を使ってみてください。
使用方法には注意をしなければいけませんが、上手く活用することでノロウイルスを失活化できますので、試してみてはいかがでしょうか。