コラム
Column

子育て

虫除けスプレーの効果と正しい使い方


害虫からお肌を守るための「虫除けスプレー」は夏の必需品のひとつ。一般的な虫除け成分の「ディート」配合のものから「ハーブ」配合のものまで種類もさまざまですが、大人だけでなく小さな子どもも使う以上、使用成分や濃度などを配慮する必要があります。この夏、どれを買っておけばいいか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。


虫除けスプレーの種類

手軽な虫除け対策として人気なのが「スプレー」タイプ。最近では「エアゾール」と「ミスト」の2種に大別されていますよね。エアゾールは広範囲に噴霧でき、ムラなく付けられるのが特徴。持ち運びもしやすいので、キャンプやBBQなどアウトドアシーンにもぴったりです。液体が霧状に出てくるミストは、1回の噴霧量が少なく飛び散りも少ないのが特徴。狙った範囲にピンポイントで使いたいときに向いています。

ほかにもジェルやローション、ロールオンタイプなどさまざまなタイプがあります。それぞれのメリット・デメリットも見ていきましょう。


タイプ別で見るメリットとデメリット

・エアゾール
スプレータイプなので手を汚さずに広範囲に噴霧でき、ムラなく付けられるのがメリット。効果が薄れてきてもサッと重ね塗りできるのが便利です。デメリットは1回の噴霧量が多い分、使用中に成分でむせてしまったり、屋内など狭い場所では使用しづらい点などがあります。

・ミスト
1回の噴霧量と飛び散りが少ないので、首元やひじなど部分的に露出した箇所だけにピンポイントで塗りたい場合などに便利です。霧吹き状なので重ね塗りもしやすく、手で周辺に伸ばして使えるので無駄打ちも少ないのもメリット。一方、露出した部分すべてに塗るのには手間がかかり、手で伸ばして使う場合は手が汚れてしまうので、外出中などは使用しづらいのがデメリットです。

・ジェル
手に取ってから使うことで肌に満遍なく馴染ませられるのがメリット。足首や腕の裏など塗り残しやすい箇所も難なくカバーできます。スプレータイプだと子どもが口や鼻から吸い込むといった危険性があるので、安全面におけるポイントも高いです。デメリットなのは、手が汚れること、満遍なく塗り広げるのが面倒なこと、服の上からの使用ができないぶん実用性でやや劣る点でしょうか。

・ローション
虫除け効果と肌へのやさしさにこだわったスキンケア発想の虫除け剤と言えます。ローションと聞くとベタつきそうですが、保湿成分配合で低刺激処方のものが多く、しっとりと潤いながらも付け心地はサラサラとしています。化粧水の感覚で肌に満遍なく馴染ませられ、敏感肌の方にも使いやすいのがメリットです。(すべての方に皮膚刺激やアレルギー反応が起きないわけではありません)。デメリットはジェルと近いですね。

・ロールオンタイプ
ボール状のローラー部分を転がして肌に直接塗り込むタイプなので、手を汚すことなく首や手首、足首など塗り残しやすい部分にもピンポイントで塗り込めます。エアゾールのように噴霧させたくない人にも使いやすく、コンパクトサイズのものが多いので携帯がしやすいのもポイントです。デメリットは肌表面に吹き付けるスプレータイプとは違い、直接肌にロールするため、敏感肌な人には刺激が強い場合があることです。かゆみや痛みをともなう場合は、使用を中止して様子をみましょう。


子どもに使うときの注意

子どもに使うときの注意点ですが、とくに「ディート」には注目です。ディートは一般的に毒性がそこまで高いわけではありませんが、虫を避ける効果が高いぶん、抵抗力の弱い子どもへの影響がないとは言い切れません。メーカーが提示する使用回数や期限などを守って使う分には問題ないですが、目や口に入らないように配慮しましょう。ごくまれですが、高濃度のディート製品には神経障害や皮膚炎などの副作用を引き起こすことがあり、厚生労働省ではディートの「濃度表示の義務化」や「小児(12歳未満)への使用時の制限」などの通達を出しています。

小さな子どもが使う場合、「ディートフリー」や「低濃度」の記載があるものや、「イカリジン」配合、天然由来成分の「ハーブ」配合などで選ぶのがおすすめです。ディートの含有量が30%の製品は虫除け効果が高い分、副作用が心配なので、普段使いはせずにアウトドアの時に使用するなど状況に応じて使い分けましょう。普段使いで選ぶなら、ディート含有量は「10%前後」、イカリジン含有量は「5%」程度を目安にするといいでしょう。

子どもの虫除け剤を選ぶ前提として、大人と同様に考えてはいけません。成分や使い方を大人がきちんとチェックして正しく使わせることで、虫除け剤は子どもを守ってくれる強い味方になってくれるのです。


対象の虫をしっかり確認する

虫除け剤を選ぶ際、「対象となる虫は何か」「対象となる虫を忌避する効果のある成分が入っているか」をしっかり確認しましょう。

たとえばヤブカやイエカ、アカイエカなどの蚊に刺されたくない場合、「蚊成虫」を対象とした表示があるかが重要です。ちなみに湖や河川の近くに多く出現し、日没時などに蚊柱を作るユスリカも同様に人を刺す蚊と思いがちですが、実は吸血も病原体を媒介することもありません。不快ではありますが無害なのです。そのため、アカイエカのような刺すタイプの蚊を避けたいのに、ユスリカを対象としたようなものを選んでしまうと、「虫除けなのに効かない」場合があります。
虫除け剤の購入時には、使用成分と一緒に対象となる虫もしっかり確認しましょう。 


使用環境・状況に応じて使い分けるのが大切

同じ虫除け剤でも、タイプによって使い心地や効果も違うので、使用環境や状況に応じて使い分けるのが大切です。最近では虫除け効果の高さだけでなく、肌にやさしく使えるもの、香りのいいものなど改良が重ねられていますので、ニーズに合ったものがきっと見つかるはずです。
虫刺されの不快感から解放され、夏を思いっきり楽しみましょう。