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子育て

事故に注意!ソリを使った子供の移動

冬真っ只中の北海道では、子供を乗せたソリを引いて歩くママの姿をよく見かけます。こうした光景は雪国では決して珍しくありません。でも、ソリでの移動はちょっとした不注意で重大な事故を招く恐れもあります。そこで、この記事ではソリを使った子供の移動について注意点を紹介します。

冬の北海道はソリがベビーカー代わり

小さな子供を連れて近所を移動する場合、通常は自転車かベビーカーを使用します。しかし、雪が降り積もってしまったらどちらも使用できません。そこで、雪国のママはベビーカー代わりに「ソリ」を使用する人が多いのです。もともと子供の遊び道具として売られているソリですが、子供を乗せて引っ張るだけで楽に移動できるので、次第に使用する人が増えてきました。移動にソリを使うシーンでよく見かけるのは、保育園の送り迎えや幼稚園バスの出迎え、買い物などです。特に保育園の送り迎えをするママはその便利さを実感している人が多いのではないでしょうか。

もちろん車で送迎できるのがベストですが、自家用車を持っている家庭ばかりではありません。持っていたとしても、冬道は車の運転も危険なので、冬は運転を避けるママもいます。だからといって冬の雪道を徒歩で歩くのは、子供だけでなく大人でも大変です。デコボコの道や、ツルツル滑る道を注意して歩くのですから時間もかかってしまいますよね。いったい朝何時に起きたらいいのだろう、ということになってしまいます。このように、冬の北海道では車や交通機関を使うほどでもない距離の移動に、ソリが活躍しているのです。

買い物でも!ソリに子供と荷物を乗せて移動

ソリに子供を乗せて買い物をする光景もよく見られます。ベビーカーの場合、買い物をしたら付属のフックに買い物袋をぶら下げたり、空いたスペースに買ったものを入れたりしますよね。ソリの場合も同様に、子供と買い物袋を乗せて引っ張ることができるのです。子供だけでなく、買い物したものも乗せて引っ張るわけですから、実は結構な重さです。それでも、子供の手を引いて買い物袋を持ち、不安定な雪道を歩くよりははるかに楽だといえます。

北海道では子供連れかそうでないかに関わらず、冬に重たいものを買う場合にはソリを使うことがしばしばあります。箱入りの飲料水ボトルやみかんなど、車でないと運びづらいものが楽に運べるからです。そのため、ソリに乗せたものが動かないようにロープで固定します。この時期のスーパーでは、入り口に小さなソリが何台も立てかけてあることが日常的な光景です。間違って持って行かれないように、ソリにネームシールを貼って目印にしている人もいます。

思わぬ事故にも!子供を乗せたソリは危険も

ソリに子供を乗せて移動すると便利なので、冬は毎日のように使うという人もいるでしょう。しかし、使い方を間違えると、思わぬ事故につながってしまう可能性があります。まず注意したいのは、乗せる子供の年齢です。ソリがベビーカーと違う点は、押すのではなく引くということ。そして、子供の体を防護する屋根や背もたれがないことがほとんどです。まだ座ることもままならない幼児を乗せれば、ソリを引っ張った時にバランスを失ってソリから飛び出してしまう危険性があります。きちんと座っていられる年齢になってからソリに乗せるのが望ましいです。

もちろん、きちんと座っていられるからといっても、子供は子供です。大人しく座っていられない子もいますし、道が悪くてソリが不安定になれば簡単に転げ落ちてしまいます。ですから、ソリを引っ張る際は常に注意を子供に向けていなければなりません。そのためには道の状態にも気を配りましょう。デコボコした道はもちろんのこと、斜面も危険です。特に車道と接した道では、アイスバーン状態の斜面から車道にかけてソリが流れていってしまう危険性もあります。道の状態によっては、ソリから子供を降ろして歩かせる必要もあるのです。

吹雪や豪雪などで、視界がさえぎられる場合もあります。そのような場合は後ろがよく見えなくなるため、子供をソリに乗せるのは危険です。いつ車と接触して事故につながるかもわからないので、ソリは使用しないほうが良いでしょう。また、雪解け時によくあることですが、雪がある所とないところがあると、ソリが安定しません。ソリが傷つくだけでなく、転倒しやすくなります。それに、雪解けの水を多く含んだ柔らかい雪は、ソリがなかなか滑らかに進んでくれません。この時期がきたら、もうソリは使わないほうが安全です。自転車やベビーカーが使えるようになるまで、しばし我慢といったところでしょうか。

利用時の注意点を知ってソリを安全に扱おう

冬の北海道において、ソリはベビーカー代わりになるお助けアイテムです。しかし、ソリはベビーカーと違い、子供は無防備な状態にあります。背もたれや安全ベルト付きのソリもありますが、それに頼るのは危険です。自分のペースでソリを引っ張ってしまうと、思わぬ事故につながる危険性もあります。常に子供に注意を払いながらゆっくり引っ張ることが大事です。斜面やデコボコなど、道の状態や天候にも注意を払いながら、ソリを安全に活用しましょう。